これまでは木材の選定や設計などの準備に関するものでしたが、今回の第3回目の記事から、ようやく実際の工事について書いていきます。
遣り方
遣り方の詳しい方法については、インターネットでもいろんな情報がありますが、あくまでも今回はウッドデッキなので、そこまでの精度は求めていません。
なので、きちんと場所が定まって水平が取れれば良し、というくらいの感覚で進めます。
地縄は張らずに杭だけ
家を建てるようなときにはよく地面に地縄を張っているのを見ますが、今回はウッドデッキなのでそこまでしません。
だいたいの大きさを測って、四隅に杭を打って場所を確定させたら、早速遣り方を始めます。
水平はレーザーレベルで
もしレーザー水平器がない場合は水遣り(水とチューブをつかって水平を取る方法)しかないのですが、やっぱり面倒ですし、デッキのサイズも比較的大きいので、水遣りでは大変(><)。なので、ここはいつもの太っ腹社長にお願いし、レーザーレベルをお借りしました。
遣り方を進める
貫板を周囲すべてに張り巡らすやり方もありますが、そこまででは必要ないかな、ということで四隅だけの遣り方にします。
地縄の代わりに打った杭から適当に50cmほど離したところに、3本の杭を打ち込みます。これを四隅に計12本。
基準となる杭に、レーザーレベルで基準点の高さを決めます。今回はだいたい根太天端のチョイうえくらいを基準に進めました。
基準の高さが決まったら、四隅の杭にも基準の高さでしるしを付けていきます。
四隅の杭で基準の高さを出したら、その両脇にある杭にめがけて貫板を張ります。貫板は水平が命。この貫板すべての天端が、Step2で決めた基準高さにならなければなりません。貫板の上に水平器を載せて、貫板の天端が基準高さで水平が取れるようにします。
ここまででこんな感じ。(↓の写真では既に水糸を張っちゃってますが、この時点では水糸はありません。途中の写真を撮ってなかったのですみません💦)
まず1辺、デッキの外寸に合わせて水糸を張ります。ちなみに、水糸は貫板の上に釘を打ってそこにひっかけていきます。
そこから、次の辺で直角になるように糸を張るのですが、今回は345の法則(ピタゴラスの定理)をつかって巻き尺で直角を出しました。
それで直角を出せたら、あとは同じようにやるだけできれいな長方形の出来上がり。
と言っても、巻き尺でやるとどうしても誤差があるので、最後は対角の長さも測って、この対角がどちらから測っても同じになるように微調整を繰り返しました。
今回の遣り方はこれで完了!続いて束石の設置に移ります!
ここで後日談・・
今回は四隅だけの遣り方にしましたが、本来であればこれで十分だと思います。ですが、いざ根太張りを進めていくと、天然木ゆえの曲がりに悩まされ、結局はレーザー水平器で何度もいろんな箇所を測りながら進めざるを得ませんでした。
もしレーザーレベルがなく、水遣りだけで、天然木の、ある程度の大きさのウッドデッキを製作するのであれば、きちんと全周囲に貫板を張って、水糸の本数を増やさないと、なかなかきれいに全体の水平を取るのは難しいかもしれません。
束石の設置
ウッドデッキの束石についても、その手法は様々あると思います。きちんとやるのであれば、
”穴掘って、砕石入れて突き固めて、モルタル流し込んで束石を水平に設置して、羽子板やボルトで束柱を固定”
みたいな手順になりますが、そもそもウッドデッキにそれほどの基礎はいらないんじゃない?というのが個人的な感想です。(あくまでも自己責任ですが・・・)
ですので、今回の選択は「土を突き固めて束石置くだけ」です!
↓これで束石置く場所だけ土を突き固めて、、
束石を水平に設置する、これで終わり。
ついでに言えば、束石と束柱は固定もしません。というのも、どれだけやってもある程度の不同沈下は起きますし、まして今回は土を突き固めただけなので、時間の経過とともに必ず沈下はすると思います。
そうなったときには、ちょっと床下に潜ってジャッキアップしてスペーサーかませれば良いわけで、束柱を固定してしまうと逆にそれがやりづらくなってしまうので。
しかも、羽子板付きの束石って結構高いですよね・・今回は全部で150個近い束石の数になるので、1個当たり数百円の差でもかなり大きいのです。なので、一番安くて一番楽な方法を選択しました。
束石設置完了
ということで、その強度にはいろいろ賛否両論はあると思いますが、これで必要十分でしょう!ということで束石の設置まで完了です。
次は束柱、根太組みに突入ですー。